ポケモンをやっていて思いついたちょっとした小話です。若干の夢表現ありなので、苦手な方は、ご注意ください。
わたみの手持ちは、みんないい子だ。テントでキャンプをしていても、ボールの中で眠る子。外で見張りをしてくれる子。みんな自主性に溢れる賢い子なのだ、ただ、一匹を除いては。
「・・・・重い。」
朝、いつものようにわたみは息苦しさで目覚める。何か、もちもちとして重量があるクッションが顔に乗っている。もちろん、最初こそ金縛りかとゴーストタイプの仕業を疑ったが、今では最早驚きもしない。むしろ、今日もこれを乗せたままで朝を迎えられたことに感謝している。よく窒息しなかった、わたみ。
「ワンパチせんせー、退けて、苦しい。」
ぺちぺちと顔の上に乗ったそれを叩いてやれば、わずかにもふもふとクッションのような弾力が揺れる。あんな短い脚でどうやってわたみの顔に乗っているんだと毎度、不思議に思うのだが、それはそれなんだろう。
「グるるる」「あ、ありがと、グラエナ」
わたみの手持ちの中でも古株な真っ黒い尻尾が見えて同じ犬なのになぜ、こうも体格と性格に違いが出たのかと思いながら、グラエナに銜えられ、べローンと舌を出しているせんせーと目があった。
「イヌヌワ!!」「はいはい。それ、持ってって。」
(ワンパチにすりすりしたいだけで出来上がったお話し。ちなみに、わたみとはわたしをちょっと造語っぽくした普段の吾輩の一人称です。)