わたみの手持ちは、みんな賢い子ばかり。自立心のあるしっかり者ばかり。そう、ただ一匹を除いては。
ゆらゆらと揺れる炎を灯したしっぽ。それはわたみの初めてのパートナーであるリザードンのアイデンティティでもあるし、命の証でもある。
そして今日も、それを見つめるワンパチせんせー。動くものはなんでも追いかけ、飛びつかなければ気がすまない。こちらは、小さな雷のような形をした短いしっぽをふりふりさせて、ついでにハートの模様のおしりもぷりぷりさせて、まさに狙いを定めているところだ。
「・・ワンパチせんせー、あなた昨日もそれやって痛い目にあったでしょ?」
ぷりぷり、おしりに言ってみたところで返事はなくびりびりと襟巻のような首のまわりの丸くて黄色い鬣と思われる場所が立っている。
そして
「イヌヌヌワッ・・・ワフっ!!」
炎に向かって大ジャンプを繰り出したワンパチせんせーはしかし、飛びついた途端にくるりごろごろと地面に落ちる。心配と驚きでこちらを見るリザードンに、頷いてみせた。
「いいよ、大丈夫、リザードンのせいじゃないから。いいかげん、学習しなよ、ワンパチ。それとも、学習装置つけようか?」
「ワフン!!」
(だんだんと楽しくなってきてしまった。。)