夢要素ありで、お相手もちろん人外です。苦手な方はご注意を。
君は甘い甘いチョコの香り
「ロボ!ロボ!起きて!これ、これ見てみて!!」
最早聞きなれた自身の主であるその声に、狼王ロボは瞼を薄く開いた。
「ロボのね、ブラッシングで出た大量の毛を、丸めてロボボールにしたよ!!」
猫はこれにじゃれるんだってさー。などと言いながら、小さな主の両手に収まる程度の大きさの丸い球をロボは不思議な感覚で見つめていた。
自分の匂いがするのだ。獣の、匂い。
「お?気に入った?」
しかしながら、もう一つ。その匂いの中に混じっている匂いがある。
「ぐるるるるっ。」
甘いなじみのない、それでいてとても馴染みつつある匂い。
「え、お、わ、なに?」
目の前で慌てだした主を前足で傷つけないように注意しながら、引き寄せる。それから、どこにも行けないように脇腹に寄りかからせ、頭を寄せた。
「わふっ」
「ん?ん?なに、ロボ。寝ぼけてたの?」
驚きながら、どこか楽しそうにそう言う声を聞きながら、またそっと目を閉じた。
最近は、引っ越しのストレスでこんな小話ばかりを書いています。完全な自己満ですみません。。